2013年6月3日月曜日

再生可能エネルギーの種類 ~大規模水力発電~

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水力発電とは、高所から落下させた水で水車を回し、発電する方法です。
小規模なものは、川の流れを利用し、水車を回して発電機を動かす方法で、大規模なものは、ダムを建設して高低差を生み出し、発電機を回す方法になります。

1832年のフランスで、ヒポライト・ピクシーによって現在の発電機が発明された以降、1878年にトーマス・エジソンが白熱電球を発明、その需要で電力を必要とし、1800年代後半から、水力発電の開発がスタートしました。
1878年、イギリスのウィリアム・アームストロングが、世界で初めての水力発電を設置し、彼が所有する家の照明用に使用していました。
これによって、水力発電の発明者として、アームストロングの名前が挙げられるようになりました。

日本では1888年7月(明治21年)に、宮城紡績によって三居沢発電所という自家用水力発電所が設置され、その後も各紡績会社や鉱山会社に設置されていきました。
尚、日本で発電所造られた発電所は、1887年の東京に建設された火力発電所です。

いずれにしても、火力発電所のように化石燃料を必要とせず、原子力発電所のように放射線廃棄物を出さないという点では、クリーンというイメージがあります。
建設費で云えば、火力発電所や原子力発電所よりも、揚水発電所のほうが安価です。揚水発電所は、電力消費が少ない夜間に、原子力発電所に交代して発電するなどの用途で用いられています。
京都府内にある揚水発電所を挙げれば、1970年に建設された、宇治市にある喜撰山ダムと天ヶ瀬ダムがそうです。

しかし、水力発電所には、当然ながらデメリットがあります。

一つ目は、発電量が火力発電や原子力発電よりも劣ります。
火力発電や原子力発電をなくし、国内の電力を水力発電(その他、風力発電などのクリーンな発電方法との組み合わせを考慮しても)で賄うことは、まず不可能です。
『地球に優しく、人に優しく』という言葉がありますが、はっきりと申し上げますと、両立は無理です。人に優しいものは、地球にとっては決して優しくはありません。その逆も然りです。

二つ目は、永遠に発電が可能なわけではありません。
ダムには月日を追うごとに、土砂が堆積していくため、いつかは発電が不可能になります。

三つ目は、建設地となる場所の選定です。
ダムによって沈んでしまった村、というものを聞いた記憶のある人は、多いと思います。
ダムを建設する際には、その場所に住む人たちの生活や農林業が犠牲になります。また、水路式発電の場合は、下流域の流水が少なくなり、生態系を破壊する結果になります。
上記に挙げた天ヶ瀬ダムのある場所でも、昔は『おとぎ電車(http://lakugaki.web.fc2.com/otogidensya/otogidensya-mugen.htm)』という鉄道が走っていました。現在では、天ヶ瀬ダムの鳳凰湖に水没しています。
尚、日本では既に、ダム建設に適した土地が少なくなり、新たな水力発電所の建造には難しい状況です。



自然エネルギーの有効利用と謳われている水力発電ですが、実際には多くの問題を抱えています。
その極端な例が、中国にある世界最大の水力発電所『三峡ダム』ではないでしょうか。

三峡ダムは2009年に完成した、中華人民共和国の長江中流域にある、大型重力式コンクリートダムです。
洪水を抑制し、中国の年間消費エネルギーの一割(原発15基分)を発電すると云われていました。
 
しかし、その裏では、140万人もの住人が、充分な保証もないまま強制移住させられ、貧困層へと叩き落されました。強制退去人数は今後も増え続ける予定で、2020年までに230万人が退去させられます。これによって、治安の悪化により暴動が多発し、強制退去された人たちの雇用不安とともに、現在、社会問題の一つとなっています。

ダム湖の長さが570km、水位が175mとなり、3725平方メートルの広範囲が水没する結果になりました。これによって、土葬されていた住人の墓、多数のトイレ、1397蔽もの工場、重要文化財や歴史的建造物の多くが水没しました。
鍾乳洞などの洞窟に大量の水が流れ込んだせいで、地盤が不安定になり、崩落などによる地震が数千回近く発生しています。
また水没地から、大量のゴミや汚染物質、廃棄物が浮遊、流れ出し、長江や黄海の水質を悪化させました。

上流域でも生活・工業排水――糞尿、農薬、染料などが下水処理されず、垂れ流しの状態であるため、水が赤や黄などに変色して、異臭を撒き散らしています。
これによって、三峡ダムは『汚水の肥溜め』と揶揄され、飲水として使用できないまでになっています。

結果として、魚介類が100種類以上も絶滅し、黄海近辺での漁獲量が減少しました。これが原因で、日本や台湾の領海に不法侵入して、乱獲する中国船籍が増えたのです。
日本で巨大エチゼンクラゲが大量発生して、日本の漁場の悩みの種になっていますが、これも三峡ダムの水質汚染が原因ではないかと云われています。



水力発電所の建設には、堆積する土砂の除去方法などの他に、建設地や環境保全も考慮しなければ、非常に難しいと云えます。
よって、巨大ダムは建設しないほうが良いかもしれません。
 
小規模な水力発電のほうが、環境の悪化を招くことなく、建設地の選定も楽になり、自然エネルギーを活用できるのではないでしょうか。

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