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◆南海トラフ地震について◆
まず、南海トラフとは。
日本列島南方の海底に、静岡から九州付近まで伸びている、4,000m級の深さからなるトラフ(溝)のことです。このトラフは、非常に活発で、且つ大規模な活断層で、過去に百年から二百年の周期でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生しています。
南海トラフと連動して、琉球海溝までの1,000kmに渡って連なる断層が連動して地震が発生した場合、マグニチュード9クラスの超巨大地震が発生する確率が高くなります。もし、この超巨大地震が発生した場合、死傷者は32万3000人にのぼると指摘されています。
過去に、東海・東南海・南海の三つの連動型地震が発生したとされる最初の記録は、684年(天武13年)の白鳳地震と考えられています。また、887年(仁和3年)の仁和地震、1361年(正平16年)の正平地震、1605年(慶長9年)の慶長地震、1707年(宝永4年)の宝永地震も、東海・東南海・南海連動型地震ではないかという諸説があります。
この巨大連動型地震により、富士山や伊豆諸島の火山噴火が発生したとの記録もあります。
南海トラフはフィリピン海プレートが沈み込む場所であり、ユーラシアプレートの圧縮応力が常時掛かっている場所であるため、南東に向かった傾動で地殻変動を起こしています。
必然的に、地震が発生しやすい場所でありますが、この境界部で歪みが蓄積され、目下、いつ巨大地震が発生しても、おかしくないような状況です。
もし、東海、東南海、南海のいずれかで地震が発生した場合、震源地が三つ連動して巨大地震の発生する確率が、かなり高いです。これらの地震は30年以内に、60~88%の確率で起こるとされています。
昭和19年から昭和21年にかけて、東南海地震の発生した二年後に、南海地震が発生しました。しかしこの時、東海地震は起きませんでした。
南海トラフが原因の地震の周期は約100年、宝永地震ほどの巨大地震は300年から600年と云われていますが、地震のタイプ、津波が発生するか、正確な周期などは、いずれも周期不明瞭、不規則な点が多いのが事実です。
よって、次に南海トラフ付近で発生する地震の震源域を推定することは困難である、とされています。
内閣府中央防災会議では、南海トラフ地震による犠牲者は、想定死者数32万3000人中、その七割が津波によるものと予想されています。しかし、きちんと対策し、早期の避難をしていれば、総死者数を八割ほど減らすことが可能としています。
津波が発生した場合、水深1cm以上の浸水域は最大で1,015平方km、巻き込まれれば死亡する水深1m以上の浸水域は602平方kmとの想定が出ています。
南海トラフ地震が発生した場合、一番死者数の多い件は静岡県で、109,000人と予想されています。
想定死者数109,000人の内、建物倒壊が13,000人、津波が95,000人、急斜面地崩壊が40人、火災が1,600人です。
各都道府県の想定死者数が多い順に並べると、三重県の43,000人、和歌山県の35,000人、宮城県の34,000人、高知県の25,000人、愛知県の23,000人、愛媛県の11,000人と続きます。
津波の想定は、地震発生から二分後に静岡県清水区や焼津市、四分後に三重県尾鷲市や熊野市に、それぞれ20~30mの津波が到達するとされています。
もし、津波が発生した場合、東日本大震災の1.8倍の面積が浸水域になります。
水深1m以上の死亡率が高い津波の浸水域は、三重県で112平方km、静岡県で100平方km、愛知県で32平方kmです。内、愛知県では、30万6000棟が全壊すると考えられ、全国で最も被害が出る可能性があります。
地震の被害を食い止めるには、国や自治体だけの力だけで防ぐのは不可能です。
地震や、それに伴う津波による犠牲者を減らすため、津波避難ビルへ迅速に避難すれば、被害を大幅に減らすことができます。地震発生後に津波の到達速度が早い地域では、民間企業が避難ビルを提供し、そのための避難路や避難訓練が、行政と市民が合同して行なわれています。
日頃から常に「意識」をしておくことがとても大事ですね。
2013年6月28日金曜日
2013年6月14日金曜日
メガソーラーについて
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メガソーラーについて
太陽光発電所の中で、規模が大きいものは『ソーラーファーム』や『ソーラーパーク』と呼ばれますが、その中で出力が1MW(1000kW)以上の施設を『メガソーラー』と呼びます。
建設には広大な敷地を必要としますが、火力発電所や原子力発電所と比べてメンテナンスが簡単であるため、電力会社以外でも建設する一般企業や自治体が建設している事例もあります。
現在、メガソーラーは日本各地に80箇所ほど存在します。その中で、電力会社が所有しているメガソーラーが約25箇所、残りは一般企業や自治体が所有しています。
2003年までは、日本でRPS制度や補助金などがあったため、太陽光発電の普及が進み、導入数が世界で一位でした。しかし、補助金の打ち切りにより、導入数はドイツなどに抜かれる結果になりました。
2009年11月、日本政府は再生可能エネルギーを推進しはじめ、太陽光発電の余剰電力買取制度が導入されました。これにより、住宅用などの小規模な太陽光発電が普及して行きました。
2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故が切欠で、脱原発を目指した再生可能エネルギーの開発を加速する方針を打ち出しました。
太陽光発電の余剰電力買取価格は、1kWあたり42円と、他の再生可能エネルギーよりも買取価格が高めに設定されています。さらに、買取期間が20年という長期間保証されています。そのため、一般企業の太陽光発電システム導入が増え始めました。
しかし、買取に支払われる資金(賦課金)は、一般家庭から徴収されるため、電気使用量が値上がりしています。
また、メガソーラーは将来的に暗雲が立ち込めています。
広大な土地が存在する北海道で、ソフトバンクなどの事業者がメガソーラーの建設に乗り出し始めました。しかし北海道電力は、ソフトバンクなどの事業者が申請してくる売電を七割以上門前払いする可能性が高くなりました。
これは、北海道電力の送電線に、メガソーラーを接続できないことが理由になります。
送電線の接続障害は北海道だけでなく、各都道府県でも送電線の容量オーバーなどを理由に、電力会社から接続拒否された事例が二割ほどあります。
さらに、太陽光発電は、天候などによって発電量に斑があるため、需要と供給のバランスを保ちにくいという現状があります。
メガソーラーを維持するに至っては、日差しの確保が必至となるため、設置した場所の除草作業を行なわなければなりません。
ゴルフ場のように、除草剤を撒けば作業か簡単になりますが、河川の傍に建設されたメガソーラーでは、除草剤の仕様ができず、手作業で除草しなければなりません。
発電した電流を送電するために、大電流に耐えられる太い電線を使用する必要があります。本来なら、このような電線は地中に埋設するのですが、採掘規制のある場所では地中に埋設することができません。そのために、地上に設置することになり、電線をコンクリート製のケースで覆う必要が出てきます。
これらの制約もあり、メガソーラーの建設費や維持費は、相当なものになります。
目先のクリーンエネルギーという謳い文句に騙されず、事業立ち上げのコストや、採算性、建設における制約なども掌握する必要があります。
最近では、コスト削減のために、安価な中国製太陽電池をするケースが増えてきました。
しかし中国製は太陽電池の質が悪いため、経年劣化の速度が早く、出力低下の問題が多く出ています。
これにより、欧州では、中国製太陽電池の使用によるPID現象が問題となりました。
国産メーカーや大手メーカーの太陽電池は、絶縁性が高く、湿気対策も万全のため、PID現象が少ないです。住宅用の太陽電池は高電圧ではないため、PID現象を心配する必要はありませんが、メガソーラーのような高出力太陽光発電の場合は、きちんと意識する必要があります。
メガソーラーについて
太陽光発電所の中で、規模が大きいものは『ソーラーファーム』や『ソーラーパーク』と呼ばれますが、その中で出力が1MW(1000kW)以上の施設を『メガソーラー』と呼びます。
建設には広大な敷地を必要としますが、火力発電所や原子力発電所と比べてメンテナンスが簡単であるため、電力会社以外でも建設する一般企業や自治体が建設している事例もあります。
現在、メガソーラーは日本各地に80箇所ほど存在します。その中で、電力会社が所有しているメガソーラーが約25箇所、残りは一般企業や自治体が所有しています。
2003年までは、日本でRPS制度や補助金などがあったため、太陽光発電の普及が進み、導入数が世界で一位でした。しかし、補助金の打ち切りにより、導入数はドイツなどに抜かれる結果になりました。
2009年11月、日本政府は再生可能エネルギーを推進しはじめ、太陽光発電の余剰電力買取制度が導入されました。これにより、住宅用などの小規模な太陽光発電が普及して行きました。
2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故が切欠で、脱原発を目指した再生可能エネルギーの開発を加速する方針を打ち出しました。
太陽光発電の余剰電力買取価格は、1kWあたり42円と、他の再生可能エネルギーよりも買取価格が高めに設定されています。さらに、買取期間が20年という長期間保証されています。そのため、一般企業の太陽光発電システム導入が増え始めました。
しかし、買取に支払われる資金(賦課金)は、一般家庭から徴収されるため、電気使用量が値上がりしています。
また、メガソーラーは将来的に暗雲が立ち込めています。
広大な土地が存在する北海道で、ソフトバンクなどの事業者がメガソーラーの建設に乗り出し始めました。しかし北海道電力は、ソフトバンクなどの事業者が申請してくる売電を七割以上門前払いする可能性が高くなりました。
これは、北海道電力の送電線に、メガソーラーを接続できないことが理由になります。
送電線の接続障害は北海道だけでなく、各都道府県でも送電線の容量オーバーなどを理由に、電力会社から接続拒否された事例が二割ほどあります。
さらに、太陽光発電は、天候などによって発電量に斑があるため、需要と供給のバランスを保ちにくいという現状があります。
メガソーラーを維持するに至っては、日差しの確保が必至となるため、設置した場所の除草作業を行なわなければなりません。
ゴルフ場のように、除草剤を撒けば作業か簡単になりますが、河川の傍に建設されたメガソーラーでは、除草剤の仕様ができず、手作業で除草しなければなりません。
発電した電流を送電するために、大電流に耐えられる太い電線を使用する必要があります。本来なら、このような電線は地中に埋設するのですが、採掘規制のある場所では地中に埋設することができません。そのために、地上に設置することになり、電線をコンクリート製のケースで覆う必要が出てきます。
これらの制約もあり、メガソーラーの建設費や維持費は、相当なものになります。
目先のクリーンエネルギーという謳い文句に騙されず、事業立ち上げのコストや、採算性、建設における制約なども掌握する必要があります。
最近では、コスト削減のために、安価な中国製太陽電池をするケースが増えてきました。
しかし中国製は太陽電池の質が悪いため、経年劣化の速度が早く、出力低下の問題が多く出ています。
これにより、欧州では、中国製太陽電池の使用によるPID現象が問題となりました。
国産メーカーや大手メーカーの太陽電池は、絶縁性が高く、湿気対策も万全のため、PID現象が少ないです。住宅用の太陽電池は高電圧ではないため、PID現象を心配する必要はありませんが、メガソーラーのような高出力太陽光発電の場合は、きちんと意識する必要があります。
2013年6月3日月曜日
再生可能エネルギーの種類 ~大規模水力発電~
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水力発電とは、高所から落下させた水で水車を回し、発電する方法です。
小規模なものは、川の流れを利用し、水車を回して発電機を動かす方法で、大規模なものは、ダムを建設して高低差を生み出し、発電機を回す方法になります。
1832年のフランスで、ヒポライト・ピクシーによって現在の発電機が発明された以降、1878年にトーマス・エジソンが白熱電球を発明、その需要で電力を必要とし、1800年代後半から、水力発電の開発がスタートしました。
1878年、イギリスのウィリアム・アームストロングが、世界で初めての水力発電を設置し、彼が所有する家の照明用に使用していました。
これによって、水力発電の発明者として、アームストロングの名前が挙げられるようになりました。
日本では1888年7月(明治21年)に、宮城紡績によって三居沢発電所という自家用水力発電所が設置され、その後も各紡績会社や鉱山会社に設置されていきました。
尚、日本で発電所造られた発電所は、1887年の東京に建設された火力発電所です。
いずれにしても、火力発電所のように化石燃料を必要とせず、原子力発電所のように放射線廃棄物を出さないという点では、クリーンというイメージがあります。
建設費で云えば、火力発電所や原子力発電所よりも、揚水発電所のほうが安価です。揚水発電所は、電力消費が少ない夜間に、原子力発電所に交代して発電するなどの用途で用いられています。
京都府内にある揚水発電所を挙げれば、1970年に建設された、宇治市にある喜撰山ダムと天ヶ瀬ダムがそうです。
しかし、水力発電所には、当然ながらデメリットがあります。
一つ目は、発電量が火力発電や原子力発電よりも劣ります。
火力発電や原子力発電をなくし、国内の電力を水力発電(その他、風力発電などのクリーンな発電方法との組み合わせを考慮しても)で賄うことは、まず不可能です。
『地球に優しく、人に優しく』という言葉がありますが、はっきりと申し上げますと、両立は無理です。人に優しいものは、地球にとっては決して優しくはありません。その逆も然りです。
二つ目は、永遠に発電が可能なわけではありません。
ダムには月日を追うごとに、土砂が堆積していくため、いつかは発電が不可能になります。
三つ目は、建設地となる場所の選定です。
ダムによって沈んでしまった村、というものを聞いた記憶のある人は、多いと思います。
ダムを建設する際には、その場所に住む人たちの生活や農林業が犠牲になります。また、水路式発電の場合は、下流域の流水が少なくなり、生態系を破壊する結果になります。
上記に挙げた天ヶ瀬ダムのある場所でも、昔は『おとぎ電車(http://lakugaki.web.fc2.com/otogidensya/otogidensya-mugen.htm)』という鉄道が走っていました。現在では、天ヶ瀬ダムの鳳凰湖に水没しています。
尚、日本では既に、ダム建設に適した土地が少なくなり、新たな水力発電所の建造には難しい状況です。
自然エネルギーの有効利用と謳われている水力発電ですが、実際には多くの問題を抱えています。
その極端な例が、中国にある世界最大の水力発電所『三峡ダム』ではないでしょうか。
三峡ダムは2009年に完成した、中華人民共和国の長江中流域にある、大型重力式コンクリートダムです。
洪水を抑制し、中国の年間消費エネルギーの一割(原発15基分)を発電すると云われていました。
しかし、その裏では、140万人もの住人が、充分な保証もないまま強制移住させられ、貧困層へと叩き落されました。強制退去人数は今後も増え続ける予定で、2020年までに230万人が退去させられます。これによって、治安の悪化により暴動が多発し、強制退去された人たちの雇用不安とともに、現在、社会問題の一つとなっています。
ダム湖の長さが570km、水位が175mとなり、3725平方メートルの広範囲が水没する結果になりました。これによって、土葬されていた住人の墓、多数のトイレ、1397蔽もの工場、重要文化財や歴史的建造物の多くが水没しました。
鍾乳洞などの洞窟に大量の水が流れ込んだせいで、地盤が不安定になり、崩落などによる地震が数千回近く発生しています。
また水没地から、大量のゴミや汚染物質、廃棄物が浮遊、流れ出し、長江や黄海の水質を悪化させました。
上流域でも生活・工業排水――糞尿、農薬、染料などが下水処理されず、垂れ流しの状態であるため、水が赤や黄などに変色して、異臭を撒き散らしています。
これによって、三峡ダムは『汚水の肥溜め』と揶揄され、飲水として使用できないまでになっています。
結果として、魚介類が100種類以上も絶滅し、黄海近辺での漁獲量が減少しました。これが原因で、日本や台湾の領海に不法侵入して、乱獲する中国船籍が増えたのです。
日本で巨大エチゼンクラゲが大量発生して、日本の漁場の悩みの種になっていますが、これも三峡ダムの水質汚染が原因ではないかと云われています。
水力発電所の建設には、堆積する土砂の除去方法などの他に、建設地や環境保全も考慮しなければ、非常に難しいと云えます。
よって、巨大ダムは建設しないほうが良いかもしれません。
小規模な水力発電のほうが、環境の悪化を招くことなく、建設地の選定も楽になり、自然エネルギーを活用できるのではないでしょうか。
水力発電とは、高所から落下させた水で水車を回し、発電する方法です。
小規模なものは、川の流れを利用し、水車を回して発電機を動かす方法で、大規模なものは、ダムを建設して高低差を生み出し、発電機を回す方法になります。
1832年のフランスで、ヒポライト・ピクシーによって現在の発電機が発明された以降、1878年にトーマス・エジソンが白熱電球を発明、その需要で電力を必要とし、1800年代後半から、水力発電の開発がスタートしました。
1878年、イギリスのウィリアム・アームストロングが、世界で初めての水力発電を設置し、彼が所有する家の照明用に使用していました。
これによって、水力発電の発明者として、アームストロングの名前が挙げられるようになりました。
日本では1888年7月(明治21年)に、宮城紡績によって三居沢発電所という自家用水力発電所が設置され、その後も各紡績会社や鉱山会社に設置されていきました。
尚、日本で発電所造られた発電所は、1887年の東京に建設された火力発電所です。
いずれにしても、火力発電所のように化石燃料を必要とせず、原子力発電所のように放射線廃棄物を出さないという点では、クリーンというイメージがあります。
建設費で云えば、火力発電所や原子力発電所よりも、揚水発電所のほうが安価です。揚水発電所は、電力消費が少ない夜間に、原子力発電所に交代して発電するなどの用途で用いられています。
京都府内にある揚水発電所を挙げれば、1970年に建設された、宇治市にある喜撰山ダムと天ヶ瀬ダムがそうです。
しかし、水力発電所には、当然ながらデメリットがあります。
一つ目は、発電量が火力発電や原子力発電よりも劣ります。
火力発電や原子力発電をなくし、国内の電力を水力発電(その他、風力発電などのクリーンな発電方法との組み合わせを考慮しても)で賄うことは、まず不可能です。
『地球に優しく、人に優しく』という言葉がありますが、はっきりと申し上げますと、両立は無理です。人に優しいものは、地球にとっては決して優しくはありません。その逆も然りです。
二つ目は、永遠に発電が可能なわけではありません。
ダムには月日を追うごとに、土砂が堆積していくため、いつかは発電が不可能になります。
三つ目は、建設地となる場所の選定です。
ダムによって沈んでしまった村、というものを聞いた記憶のある人は、多いと思います。
ダムを建設する際には、その場所に住む人たちの生活や農林業が犠牲になります。また、水路式発電の場合は、下流域の流水が少なくなり、生態系を破壊する結果になります。
上記に挙げた天ヶ瀬ダムのある場所でも、昔は『おとぎ電車(http://lakugaki.web.fc2.com/otogidensya/otogidensya-mugen.htm)』という鉄道が走っていました。現在では、天ヶ瀬ダムの鳳凰湖に水没しています。
尚、日本では既に、ダム建設に適した土地が少なくなり、新たな水力発電所の建造には難しい状況です。
自然エネルギーの有効利用と謳われている水力発電ですが、実際には多くの問題を抱えています。
その極端な例が、中国にある世界最大の水力発電所『三峡ダム』ではないでしょうか。
三峡ダムは2009年に完成した、中華人民共和国の長江中流域にある、大型重力式コンクリートダムです。
洪水を抑制し、中国の年間消費エネルギーの一割(原発15基分)を発電すると云われていました。
しかし、その裏では、140万人もの住人が、充分な保証もないまま強制移住させられ、貧困層へと叩き落されました。強制退去人数は今後も増え続ける予定で、2020年までに230万人が退去させられます。これによって、治安の悪化により暴動が多発し、強制退去された人たちの雇用不安とともに、現在、社会問題の一つとなっています。
ダム湖の長さが570km、水位が175mとなり、3725平方メートルの広範囲が水没する結果になりました。これによって、土葬されていた住人の墓、多数のトイレ、1397蔽もの工場、重要文化財や歴史的建造物の多くが水没しました。
鍾乳洞などの洞窟に大量の水が流れ込んだせいで、地盤が不安定になり、崩落などによる地震が数千回近く発生しています。
また水没地から、大量のゴミや汚染物質、廃棄物が浮遊、流れ出し、長江や黄海の水質を悪化させました。
上流域でも生活・工業排水――糞尿、農薬、染料などが下水処理されず、垂れ流しの状態であるため、水が赤や黄などに変色して、異臭を撒き散らしています。
これによって、三峡ダムは『汚水の肥溜め』と揶揄され、飲水として使用できないまでになっています。
結果として、魚介類が100種類以上も絶滅し、黄海近辺での漁獲量が減少しました。これが原因で、日本や台湾の領海に不法侵入して、乱獲する中国船籍が増えたのです。
日本で巨大エチゼンクラゲが大量発生して、日本の漁場の悩みの種になっていますが、これも三峡ダムの水質汚染が原因ではないかと云われています。
水力発電所の建設には、堆積する土砂の除去方法などの他に、建設地や環境保全も考慮しなければ、非常に難しいと云えます。
よって、巨大ダムは建設しないほうが良いかもしれません。
小規模な水力発電のほうが、環境の悪化を招くことなく、建設地の選定も楽になり、自然エネルギーを活用できるのではないでしょうか。
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